フラメンコとは


フラメンコはスペイン南部アンダルシア地方に生まれた芸術です。
遠く離れた日本でも愛好者の数は多く、スペインに次ぐフラメンコ愛好国といわれるほどです。
フラメンコの世界は一度足を踏み入れると、抜け出すことのできない魅力を持っています。

flamenco(フラメンコ)の語源は定まったものがありません。
古くはフランドル地方の人さす言葉や鳥のフラミンゴからなど諸説があります。
最近でも永川玲二氏が『アンダルシア風土記』(岩波書店、1999年)の中でアラビア語の
フラーメンガ(逃亡奴隷)語源説を挙げています。

フラメンコは18世紀末にセビージャ、カディスのヒターノ(ジプシー)の間に生まれました。
彼らはインドを起源とする流浪民族で15世紀にアンダルシア地方に定住を始めました。
彼らの歌や踊り、楽器演奏がアンダルシア地方の民族音楽と結びつき、溶け合ってできた
芸術がフラメンコです。
その中心となる歌(カンテ)は、愛する人の死、束の間の喜び、人生の嘆きなどが地声で
叫びに近い形で歌われます。

日本でもフラメンコに関し、多くの書籍が出版されています。
その中でも濱田滋郎氏による「フラメンコの歴史」は何年もかけて作られた優れた著作です。
その他、日本のフラメンコ黎明期のギタリスト勝田保世氏による「砂上のいのち」
俳優、かつロルカの詩の朗読者であった故天本英世氏による「スペイン巡礼」「スペイン回想」
その他、教則本、エッセイ、研究書など数々出版されています。